これは、海岸地域や河川の沿岸地域に限られることなのですが、津波というものに対しては、一戸建て住宅は非常に脆弱なものなのです。というのも、高層建築のマンションである場合には、そうした地域に位置してはいても、大規模な津波に襲われた際には、建物の四階以上という高層階に避難することで、津波に飲み込まれてしまう、という被害を免れることができるわけなのです。ところが、そうした高層建築ではない一戸建て住宅である場合には、大規模な津波に襲われれば、まったく助かる術がないのです。このことは、まだ記憶に新しい、巨大津波に襲われたあの東日本大震災の時の状況に鑑みれば、自明のことであると言えるでしょう。

津波は、実に海岸から10kmもの内陸部にまで到達するものなのですが、海岸地域を除けば、津波がそのような内陸部にまで到達するのは河川を遡ってのことなので、10km以内の内陸部であっても、河川の沿岸地域を除けばその危険はないのです。このために、津波の襲来地域であるところでは、一戸建て住宅には津波から逃れる術がないので、一定区画ごとに高層住宅や高層の公共建物を設けておいて、津波が来襲した際には、そうした建物の高層階に避難する、といった防災体制を設けておくことが不可欠なのです。さすがに、巨大津波といえでも、頑丈な鉄筋コンクリート造りの高層ビルであれば耐えることができる、ということは、東日本大震災時にも証明されているのですから。

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