一戸建てとマンションを比較した時、マンションのメリットとしてよく挙げられるのが、設備の充実です。マンションの住人全員で少しずつ費用を負担するため、少ない負担で豪華な設備が整えられるというわけです。プールやキッズルーム、サウナなどが最たる例です。しかしこういった設備は、マンションの住人全員の共有財産です。
好きな時に好きなだけ自由に使えるわけではありません。また利用しない人にとっては、費用の負担はするが利益を享受できないという割に合わない状態になります。最近は一戸建てでも団地内で共有できるキッズルームやゲストルームがある物件も出始めています。住宅街に集会所や公園があるのと同じように、便利な設備をつくることは可能です。
新しい高層マンションに標準装備され始めているディスポーザーなど、一戸建てには難しい設備は確かにありますが、その分自由度が高いので、あまり設備にこだわりすぎると肝心な住み心地の部分を見落としてしまいます。そもそもマンションは、一戸建てに比べて居住面積が狭い、エレベーターやエントランスは共有でリフォームすら自由にできない、音が響きやすい、といった弱点が多いため、その弱点を少しでもカバーするために設備を充実させて対抗している、という側面があります。例えば大規模マンションに機械式駐車場などが導入されていることが多いですが、戸建てにはそもそも駐車スペースがありますので、共同の駐車場は必要ありません。すなわち設備に惹かれてマンションを選ぶのは本末転倒です。